トッド・ラングレンは私にとっては未だにつかみきれないミュージシャンです。トッド・ラングレンといえば、ユートピアというバンドを率いていたイメージが強く、プログレッシブ・ロックのミュージシャンという印象がありますが、このアルバムでは全然そんな感じはなく、とてもポップな音楽をやっています。
プロデューサーとしての活躍も知られていて、ある意味でフランク・ザッパに近い音楽性があるのではないかと思います。あらゆるジャンルのポップミュージックを手がけずにはおられない、そんな貪欲なエネルギーを感じます。ザッパほど「アク」は強くないですがね。
とにかくひたすら楽しく音楽をやってるというアルバムです。解説の立川芳雄さんは「トッドは素晴らしい歌手であり、作曲家でもある。そしてこのトッドのシンガー&ソングライターとしての側面がもっとも端的に表れている傑作が、今あなたが手にしている『ハーミット・オブ・ミンク・ホロウ』なのである」と熱く語っています。
このポップさは、どこかで聴いたことがあるな、と思いながら聴いていると、ピーター・ガブリエルの1stソロ・アルバムの印象に似ています。派手さはありませんが、いつまでも古くならずに聴けるアルバムではないでしょうか。
とはいうものの、最初にこのアルバムを聴いたのは学生時代。たぶんまだレコードも持っている残っているはずです。そのときはプログレッシブ・ロックにのめり込んでいた時で、ちっとも良いとは思わなかったことを思い出します。また輸入盤だったので、チープな印刷で解説も何もなかったので、なおさら印象は良くなかったです。
このアルバムは1978に発表されました。このCDは1990年にビクター音楽産業株式会社から発売された日本盤で、デジタル・リマスターされたものだと書かれています。これも姫路の中古CDの店「キリン堂」で手に入れました。580円でした。
1998.11.20