アイスル / 有頂天


このアルバムはLPでしか持っていませんでしたが、先日姫路へ行った帰りに、古マンガや中古CDの店「キリン堂」という店に立ち寄って、CDを手にしました。夜中の1時でしたね。もう店は閉まる直前でした。そして購入価格は630円。こういうおいしい出会いがありますから、中古CDの店が目に付いたら、何がなんでもとりあえず入ってみることですね。

さてCDで改めて聴いてみると、このアルバムがとても斬新であったことに気づきます。そうそう話題には上らないかも知れませんが、いま活躍中のミュージシャンの中には影響を受けた人も多いのではないでしょうか。

楽曲の組み立ても前作から格段に複雑緻密になっています。そして歌詞がするどい。前作では言葉の響きだけで選んだようなナンセンスな単語の羅列としか感じられなかったものが、このアルバムでは「真意を読み取れ」と迫ってきます。そして言葉のリズムも磨きがかかっています。一曲紹介しましょう。

「僕らはみんな意味がない」ケラ

僕らはみんなチケケのヌカカ
”チケケのヌカカ”の意味はナニ?
僕らはみんなチケケのヌカカ
”チケケのヌカカ”の意味はない意味はない

僕ららせん状の粒のカタマリ
気味悪いったらありゃしない
そのカタマリが恋をする
あなたが愛したDNA

僕らはみんなシビビでヘケケ
”シビビでヘケケ”の意味はナニ?
僕らはみんなシビビでヘケケ
”シビビでヘケケ”の意味はない意味はない

僕らフクロやイトで動いてる
ミソが無くなったら腐ってく
そのカタマリが夢をもつ
いつかは立派なDNA

僕らはみんな生きているモノ
生きているモノに意味はない
そこに意味はあるかな?

このアルバムは1987年にキャニオン・レコードから発売された日本盤のCDです。


1998.11.16