有頂天の魅力は、ポップなサウンドと、ナンセンスな歌詞です。言葉の響きにこだわった歌詞は、その意味よりも語感の面白さで組み立てられています。ボーカルはリーダー格のケラ。感情を押さえて淡々と歌います。
ジャケットからもわかりますが、このアルバムはテクノ・ポップの影響を受けています。3曲目「サングラスにプールを」はディーヴォ風の曲ですし、4曲目の「パンクローム・フィルム」ではピコピコと鳴るシーケンサーの音が強調されています。6曲目「コレクション」はストリングスが重厚で、ちょっと重たい曲。
有頂天らしさを強く感じるのは、2曲目「サボタージュ」、5曲目「ころころ虫」、9曲目「マリオネットタウンでそっくりショー」です。ポップでどことなくとぼけた味がある曲たちです。
さてこのCD、「カラフルメリー」という曲が未収録となっています。裏ジャケットにもライナーにも曲名は書かれていますが、「この曲は今回、収録されておりません」となっています。私のかすかな記憶では、歌詞に人権にかかわる問題があったようにおもいます。間違いかも知れませんが、どなたかご存知の方があれば教えてください。
このアルバムは1986年にキャニオン・レコードから発売されました。先日姫路へ行った帰りに、古マンガや中古CDの店「キリン堂」という店に立ち寄って、深夜の1時に手に入れました。購入価格はなんと630円。
1998.11.15