Alien Love Secrets / Steve Vai


私の大好きなギタリスト、スティーヴ・ヴァイのソロ・アルバム。初回盤のみだったと思いますが、下のような真っ赤なサイン入りギター・ピックが付いていました。もちろん使わないで大切にCDジャケットの中に収まっています。


アルバムはこれまでの流れを汲んだ、インストルメンタル中心のもの。ますますヴァイのギターは洗練され、完璧になっていきます。1曲目「悪魔のギタリスト」からヴァイのギターは饒舌に喋ります。スティーヴ・ヴァイほど歌うかのように弾くギタリストはいないのではないかと思います。2曲目「ジュース」は、デビッド・リー・ロスに歌って欲しいような軽快な曲。3曲目「ダイ・トゥ・リヴ」はいかにもヴァイらしい曲。印象的なリフが耳を離れません。4曲目「ザ・ボーイ・フロム・シアトル」では生に近いエレクトリック・ギターのプレーンな音が魅力です。

そしてなんといってもこのアルバムの聴きどころは、5曲目「ヤー・ヨー・ガー」です。邦題に「愛しのばぶ・ばぶ・ファイヤー」という副題が付いています。ヴォーカル・パートは赤ん坊の声をサンプリングして作ったもので、サンプラーに取り込んで、あたかも歌うようにアレンジされています。それがまた絶妙のボーカルに演出されていて、「ロック・ボーカルなんて赤ん坊で十分さ」と言われているよう。声の主は長男であるジュリアン・ヴァイだということです。

7曲目「テンダー・サレンダー」はせつないブルース。 せつない中にも熱く燃えたぎる情熱が感じられます。この曲も私は大好きです。思う存分ギターを弾きまくるヴァイ。このアルバムではギター以外のベースやキーボード、ドラムの打ち込みなど、ほとんどが彼の手によるもののようです。

このアルバムは1995年に発表されました。ソニー・レコードから発売された日本盤で、ミニ・アルバムという扱いでしょうか、1,800円の廉価になっています。日本盤のみ「三・三・七拍子」というボーナス・トラックがついています。

1998.11.09