ジョン・ガスタフソンJohnGustafson(b、vo)、ピート・ロビンソンPeterRobinson(key)、ミック・アンダーウッドMickUnderwood(ds)によるトリオのグループ、クオーターマスのファースト・アルバム。オーケストラもふんだんに取り入れられ、ハードな曲からジャズ風、プログレッシブ・ロックまで幅広く楽しめるアルバムです。
ジョン・ガスタフソンは初期イアン・ギラン・バンドに在籍したベーシストだし、ミック・アンダーウッドもストラップスからイアン・ギラン・バンドに加入します。解説の小山哲人さんによると、ピート・ロビンソンは、エピソード・シックスからクオーターマス、その後いくつかのバンドを経てブランドXにも参加したミュージシャンとのことです。
また解説には、ミック・アンダーウッドはアウトロウズというグループに在籍していて、これにはリッチー・ブラックも参加していたことがあったとか、エピソード・シックスにミック・アンダーウッド、イアン・ギラン、ロジャー・グローバーがいたが、そこからイアン・ギランとロジャー・グローバーが脱退してジョン・ガスタフエソンとピート・ロビンソンが加入し、そこからクオーターマスが始まった、など、当時の活発なイギリス・ハードロック界の流動的な姿がうかがえます。
ところでこのアルバムの2曲目は「ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリー」という曲ですが、これはリッチー・ブラックモアのレインボーが1stアルバムでもカバーしていました。最初にこの曲を聞いたとき、どこかで聴いたことがある、と思って、きっとイアン・ギラン・バンドだったはずだ、と探したけれどもわからなかったということがありました。どこかの雑誌か本で、ディープ・パープルを何故辞めたのかと聞かれたリッチー・ブラックモアは、ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリーを演奏したかったのに他のメンバーがカバー曲はやらないと言ったからだ、と答えたと書かれていたように記憶しています。とてもいい曲です。私は大好きです。このクオーターマスのメンバーでイアン・ギランが歌ってくれたら最高だろうなあ。
このアルバムは1970年に発表されました。クオーターマスはこのアルバム一枚を残しただけだそうです。このCDは1990年にMSIから「原型回帰(第2期)プログレッシブ・ロック編2」と題されて発売されました。オリジナル・アルバムに2曲のボーナス・トラックが加えられています。CDそのものは西独盤のようで、それに日本語の解説と歌詞・訳詞が書かれたライナーが付けられています。
1998.11.06