Hinten / GURU GURU


バンド名が「グルグル」、アルバム・タイトルが「ヒンテン」。どちらも変な語感です。グルグルはドイツのロックバンド。一応プログレッシブ・ロックのカテゴリに入るかと思います。まあ、プログレといえば範疇は広いですから、説明したことになっていないけど。「ヒンテン」は「背後」「後ろ」という意味。ジャケットには後ろ向きでお尻を出している人がデザインしてありますが、これが「ヒンテン」ということですね。

このバンドはトリオで、マニ・ノイマイヤーManiNeumeier(ds、perc、vo)、ウリ・トレプテUriTrepte(b)、アクス・ゲンリッヒAxGenrich(g)の3人。マニ・ノイマイヤーは、いわゆる「手数が多い」ドラマーで、とてもメロディアスで饒舌なドラミング・スタイルです。またギターのアクス・ゲンリッヒは、時折ロバート・フリップばりのメロディーを聴かせてくれるアグレッシブなギタリスト。そしてウリ・トレプテはどっしりした安定あるプレイを聴かせてくれます。

この3人によるバンド「グルグル」(どういう意味なんでしょう?ぐるぐる回るっていう『グルグル』なのかなあ)の魅力は、ユーモアのある攻撃性と言えますか。とにかく演奏はユーモラスです。メロディアスなリズムにユーモアを感じるギターが絡む様子は、オーネット・コールマンに近い印象も受けます。

グルグルのファースト・アルバムは「UFO」といい、このアルバムは2作目にあたります。3作目の「カングル」は、学生時代にアナログ・レコードで聴いたことがあります。この3作目のアルバムには「オキシモロン」という、一度聴いたら忘れられないユニークな曲がありました。「カングル」は近々紹介することにしましょう。

このアルバムは1971年に発表されました。このCDは1994年にキングレコード/ネクサスから「ユーロピアン・ロック・コレクション」と題されて発売された日本盤です。「日本初発売」と帯に書かれています。

1998.11.05