Schwingungen / ASH RA TEMPEL


アシュ・ラ・テンプルAshRaTempelは、タンジェリン・ドリームTangerineDreamのドラマーだったクラウス・シュルツKlausSchulzeが在籍していました。ウェブ・サイト「ジブラルタル・エンサイクロペディア・プログレッシブ・ロックGibraltarEncyclopediaProgressiveRock」によれば、クラウス・シュルツはファースト・アルバム「アシュ・ラ・テンプルAshRaTempel」に参加した後グループを離れ、4作目の「ジョイン・インJoinInn」で再度グループに復帰したとのことです。したがって2作目であるこのアルバム「シュビングンゲンSchwingungen」にクラウス・シュルツは入っていません。

アルバムは、LPのA面が「ライト・アンド・ダークネスLightAndDarkness」と名づけられて、Light:CookAtYourSun(6:20)、Darkness:FlowersMustDie(12:22)の2曲が、B面は「シュビングンゲンSchwingungen」と題されて、Suche、Liebeの2曲(合計19:00)が収められています。

サウンドは初期タンジェリン・ドリーム、といった雰囲気です。1曲目の「Light」は、ブルース調の曲です。2曲目の「Darkness」は穏やかな音のコラージュで始まり、呪術的なドラムとベースのリズムに展開します。ドラムのプリミティブなリズムは、アモン・デュールUにも似た雰囲気で、その上にリバーブを効かせた幻想的なギターが飛び交い、あまり上手くない(失礼)だみ声のボーカルが叫び声をあげます。

この2曲には電子楽器がほとんど使われていませんが、「Schwingungen」では冒頭ヴィヴラフォンが主要な役割をします。これは電子音ではなく本物のビブラフォンのようです。そして中間部から力強いドラミングがあらわれ、電子音が空間を作るように飛び交います。もしかしたらこれも電子楽器ではなく、エフェクトされたギター、もしくはオルガンの音かも知れません。そして最後は静かなブルースでドラマチックにアルバムを閉じます。

このアルバムは1972年に発表されました。このCDは1991年にTempel/SpalaxMusicから発売された仏盤です。

1998.10.27