紹介する、なんていうのが恥ずかしいほど有名なアルバムなんですが。私の青春時代を駆け抜けたアルバムの一枚です。でも高校時代は、アルバムを買うというのがとても贅沢でしたから、このアルバムも買って真面目に聴いたのは大学に入ってからでした。
「チャイルド・イン・タイム」はアルバム「ライブ・イン・ジャパン」で演奏されていて、私たちの世代のロック・ファンには「聖典」と言えるような曲です。当時からバンドでボーカルをしたかった私は、両親をハラハラさせながら近所迷惑も顧みずに家のステレオを大きな音で鳴らして、「ライブ・イン・ジャパン」にあわせて大声を出したりしていました。思い出すと気恥ずかしい記憶ですが、そのように私を夢中にさせた音楽でした。
「スピード・キング」も名曲。これは他のアルバムでも言えるのですが、ディープ・パープルの曲には有名ではなくても素晴らしい曲がたくさんあります。「ブラッドサッカー」もシンコペーションを生かしたリズムとリッチー・ブラックモアのリフがかっこいいですし、イアン・ギランのシャウトも官能的。「フライト・オブ・ザ・ラット」は軽快でポップな曲。「イントゥ・ザ・ファイヤー」はギターとベース、キーボードがユニゾンで迫るヘビーな曲で、イアン・ギランが好きそうな曲です。「リビング・レック」はメロディアスでドラマチックな曲。リッチー・フラックモアのソロは、レガートを効かせた彼独特のフレーズです。「ハード・ラヴィン・マン」はアルバム「詩人タリエシンの世界」の流れを汲む、いかにもディープ・パープルらしい曲です。
このアルバムは1970年に発表されました。このCDは何年に発売されたか不明ですが、ワーナー・ブラザーズから発売された米盤でです。
1998.10.23