一昨日は引っ越したマンションの片づけをしました。レコードやCDなどオリジナルな音源は大切に持ってようと思いますが、学生時代に聴いていたカセットテープが山ほどあり、これは大半を処分することにしました。捨てることにしたカセットテープは、45リットルのペール缶用ごみ袋にして12個にもなり、それでも置いておこうと決めたテープは、ダンボール箱に6個くらいになりました。
これらの音楽は青春時代に夢中になった思い出の音楽であるとともに、私の音楽的感性の源となっているものたちです。これからそう度々は聴くことがないでしょうが、いつまでも心の中で響き続け、私を勇気づけ、幸せにしてくれることでしょう。
さて、イアン・ギランは青春時代からずっと私にとってのスター・ボーカリストです。もう幾つになっているのでしょうか、それにしても声の艶は一向に衰えていません。残念なことに、私はイアン・ギランのステージを一度も目にしたことがありません。CDの内にある写真を見ると、かなり年を感じさせる容姿になっていて、少し寂しさを感じます。もし今ステージを見たとして、頭の中のイメージとギャップがあれば悲しくなってしまうかも知れない、などと考えたりします。
年老いていくこと、とりわけエネルギーに満ち溢れて名声を馳せた者なら、よけいに恐れを抱くかも知れません。その恐れに打ち勝つことができなかったとき、厚化粧に身をまとったり、整形手術で身を欺いたりするのではないでしょうか。イアン・ギランはそんなことなく、実に素直な「今」の姿を私たちの前に見せてくれているような気がします。
このアルバムでは、ギタリストにスティーブ・モリスを迎え、奇を衒わず、リラックスして自然な演奏を聴かせてくれます。このスティーブ・モリスというギタリストは器用な人らしく、とてものびのびとしたギター・ワークを聴かせてくれます。曲のほとんどはイアン・ギランとスティーブ・モリスの共作となっています。
このアルバムは1991年に発表されました。このCDはWEAミュージック株式会社から発売された日本盤です。
1998.10.10