London Calling / THE CLASH


セックス・ピストルズもそうですが、この当時の正統派「パンク」と呼ばれる音楽を改めて聴いてみると、いったい「パンク・ロック」とは何だったのか?と思ってしまいます。今聴けば、実に耳に心地よく素直に響いてきます。

既製のロックに反逆し、社会的なモラルに挑戦し、攻撃的で破壊的である、というパンク・ロックのイメージはどこへ行ったのでしょうか?というより、ロック・ミュージック一般が肥大化し、パンクの精神を飲み込んだと言えるかもしれません。

このアルバムを聴いていて頭に浮かんだのは、T−REXやXTC、フィッシュボーンなどのグループです。私の頭の中にはこれらのグループのイメージが、とても近いもののように混ざり合いました。ブギというかロックン・ロールというかロカビリーというか、とにかくロック・ミュージックの王道を真っ正直に貫くという印象を受けました。

このアルバムは1979年に発表されました。当時、中古レコード屋で格安のものを見つけましたが、2枚組みのレコードの1枚が全く違うレコードで愕然とした覚えがあります。このCDはエピック・ソニー・レコードから1,800円の廉価で発売された日本盤です。歌詞と訳詞、解説が充実していてお買い得です。

1998.10.9