これはビル・フリゼールのリーダー作としては3作目のアルバムです。フリゼールは実に様々なタイプのミュージシャンとセッションのアルバムを残していますが、このアルバムのメンバーとは息が合ったらしく、4枚目のアルバムである次作「ホエア・イズ・ザ・ワールド」でも同じメンバーで録音を行っています。
フリゼールのギターについては別のアルバム紹介で十分に述べましたが、独特の浮遊感と空間を充填する立体感があります。ギター・ソロを1小節も聴けば、間違いなしにわかるくらいのオリジナリティがあります。フレーズはアグレッシブであったり、懐かしさを感じさせるメロデアスなものであったり、変化自在のギターです。
たくさんのリーダー作がありますが、中でもこのアルバムは落ち着いて聴ける穏やかな作品になっています。スタンダードなジャズを好きな人が初めてフリゼールを聴くには、このアルバムがお勧めかも知れません。
このアルバムは1988年に発表されました。このCDは1992年に「ECM名盤コレクション2000」と題して、2,000円の廉価でポリドール株式会社から発売された日本盤です。
1998.10.8