Volume Two / SOFT MACHINE


これもCD化されて手に入れやすくなったアルバムではないでしょうか。CDがアナログ・レコードに置き換わろうという時、「識者」といわれる人が、CDになると大掛かりな設備が必要になるので、新人グループの売り出しやマイナーなグループのアルバム発表の機会が少なくなると「警鐘」を発していたことを思い出します。実際はどうでしょうか、以前は目にすることもなかったアルバムがCDで聴けるようになりました。在庫が少なくなり、時期を逃すと手に入れにくいという傾向がこのところ出てきてますけど。

このアルバムでのマシーンは、マイク・ラトリッジMikeRatledge(Lowry、Hammond、Harpsichord、Piano、Flute)、ヒュー・ホッパーHughHopper(Bass、AcousticGuitar、Alto)、ロバート・ワイアットRobertWyatt(Drums、Voice)となっていて、ゲストとしてBrianHopper(SopranoAndTenorSaxphone)、GeorgeChkhantz(Engineer)が加わっています。ファースト・アルバムではギタリストとしてケビン・エアーズKevinAyresがいて、ヒュー・ホッパーはいませんでした。ですからファースト・アルバムからこのセカンド・アルバムへの展開は、ヒュー・ホッパーが持ち込んだものがかなり多いのではないでしょうか。楽曲としてインストゥルメンタル・パートが充実してきましたが、その反面、ワイアットの歌が生きる曲が少なくなってきています。

その中で7曲目「サンキュー・ピエロ・リュネール」は、いかにもカンタベリー・ロック的な中にワイアットの声が素晴らしい曲です。冒頭は7拍子で始まり、すぐにゆったりとした4拍子のリズムに展開します。

歌詞はとても感覚的な言葉で綴られ、一見ナンセンスなものになっています。曲の中にはコラージュ的なものも多く、曲間もなく流れて行き、全体がコンセプト・アルバムのようになっています。

このアルバムは1969年に発表されました。このCDはMSI/TOKYOがアメリカのOneWayRecordsからCDを輸入し、歌詞と訳詞、解説を付けて国内で販売したものです。

1998.10.3