Led Zeppelin 2 / LED ZEPPELIN


ファースト・アルバムの評判はいまいちだったというレッド・ツェッペリンのセカンド・アルバムです。ツェッペリンはファースト・アルバム発表後、精力的にツアーを行い、ライブ・ステージの評判を高めて評価されるようになったそうです。

CDの解説を書かれた著名なロック評論家である渋谷陽一さんは、「僕にとってツェッペリンのファーストとセカンドは、ほとんど現在の自分の職業と感性の在りかたを決定づけたともいえるレコードで、いつ聞いてもまっとうな批評的アプローチのできない作品である」と熱い気持ちを述べています。さらにまた、「このセカンドが出たとき、僕らは非常によくプロデュースされコマーシャルなレコードだと思った。1枚目の荒けずりな音からよりスマートなものになった印象を受けたのである。しかし、こうして時間が経過した時点で聞いてみると、一概にそうとは言えないような気がする。その時より、はるかに猥雑に、ラフに、そしてエネルギッシュにこのレコードは聞こえる」と分析しています。

さらに、「確かに今聞いてみるとこのアルバムにはラフなところがあり、1枚目や3枚目のようにしっかりとコントロールされた作品と違い全体の方針がはっきりとしない。とりあえず勢いで作りましたという所が感じられる」と述べ、バンドにコンディションについて、「きっとこの時のツェッペリンはグループにとって1回しかやって来ない勢いで何でもやれてしまう奇跡的にハイな状態になったのだ。メンバー個々の才能、年令、時代背景、バンドの人気、回りの音楽状況、そんな数々のファクターが有機的に結合し『レッド・ツェッペリンU』へと流れ込んでいったのである」と考察しています。確かにバンドというものは様々な要素で変化し、メンバーの個性が相乗作用で高まることもあれば、いかに優れたミュージシャンが集まっても、凡庸な作品しか作れないという場合もあります。この当時のツェッペリンはきっと最高のコンディションだったのでしょう。

ラフな作りは否めないとしても、このアルバムは魅力的な曲の数々にあふれています。1曲目、有名な「胸いっぱいの愛を」をはじめ、「レモン・ソング」、「ハートブレイカー」、「リヴィング・ラヴィング・メイド」、「モビー・ディック」など、おそらく当時、世界中の若者を魅了したことだったでしょう。

このアルバムは1969年に発表されました。このCDはジミー・ペイジとGeorgeMarinoによってデジタル・リマスターされたもので、1995年にイースト・ウエスト・ジャパンから「スーパースター・デジタル・リマスター・シリーズ」と題されて発売された日本盤のCDです。

1998.9.17