Question And Answer / Pat Metheny Dave Holland Roy Haynes
このアルバムを手に入れたとき、将来への見通しを失いつつある頃であった私は、ジャズのスタンダードに根差し、淡々と世俗を超越したかのような印象を受ける曲の数々に心を打たれ、毎日のように聴いていたことを思い出します。メセニーのギターはエレクトリックだけれどもエフェクトがほとんどないピュアな音だし、デイブ・ホーランドDaveHollandのベースはアコースティック、ロイ・ヘインズRoyHaynesのドラムは、ベーシックなジャズ・ドラム奏法です。
2曲目のタイトル曲「クエスチョン・アンド・アンサー」が典型的ですが、アドリブよりもテーマを重視した演奏です。しかもテーマは、まるで歌うかのようにメロディアスに流れていきます。このアルバムにはカバー曲も多くありますが、カバー曲よりもメセニーのオリジナル曲にテーマの面白さがよく感じられます。
オリジナルは、2曲目「クエスチョン・アンド・アンサー」、3曲目「H&H」、4曲目「ネヴァー・トゥー・ファー・アウェイ」、6曲目「チェンジ・オブ・ハート」、9曲目「スリー・フライツ・アップ」、の5曲。私は長いことアルバムからこの5曲だけをテープに録音して聴いていました。カバー曲は1曲目「ソーラー」がマイルス・デイビスの曲、5曲目「ロウ・イヤーズ」がオーネット・コールマンの曲、7曲目「オール・ザ・シングス・ユー・アー」がいわゆるジャズのスタンダードで、JeromeKern&OscarHammersteinの曲、8曲目「オールド・フォークス」もスタンダードで、D.L.Hill&W.Robisonの曲となっています。
このアルバムは1990年にワーナー・パイオニア・コーポレーションから発売された日本盤のCDです。
1998.9.14