ジョン・スコフィールドＪｏｈｎＳｃｏｆｉｅｌｄもパット・メセニーＰａｔＭｅｔｈｅｎｙも、どちらも私の大好きなギタリストです。しかし奏法も音楽の傾向もかなり違うので、この二人の組み合わせはどんな音楽になるのだろうとワクワクして聴きました。

アルバムに収められたのは全部で１１曲。スコフィールドの作曲によるものが６曲、メセニーの作曲によるものが５曲。やはりスコフィールドの曲はスコフィールドらしく、メセニーの曲はメセニーらしくできています。サポートするミュージシャンは、ドラムスがビル・ステュワートＢｉｌｌＳｔｅｗａｒｔ、ベースが私の大好きなスティーブ・スワロウＳｔｅｖｅＳｗａｌｌｏｗです。

驚くことに、メセニーが弾いているはずのフレーズが、まるでスコフィールドのように聞こえ、スコフィールドもメセニーのようなギターを聞かせてくれます。それが模倣ではなく、互いの音楽性に敬意を表するかのようで、相互に響きあうインタープレイが白熱します。一瞬たりとも注意を離せない緊張感と、ゆったりと心穏やかに響く開放感がたまらなく素晴らしい演奏です。

解説を書かれているスイングジャーナル編集部のジェイク森さんによると、スコフィールドとメセニーの二人は、バークリー音楽学院で共にミック・グッドリックという師についていたそうで、「今回一番驚いたのは、２人が意外なくらい似ていたってことかな。同じようなフレーズが出てきて、２人して顔を見合わせて吹き出した事が何回かあった」とのスコフィールドの言葉を紹介しています。

このアルバムは１９９４年に東芝ＥＭＩ株式会社から発売された日本盤のＣＤです。

１９９８．９．１３