邦題は「勝手にしやがれ」。パンク・ロックの時代を作った歴史的なアルバムです。でも当時は耳にすることはなく、ごく最近に聴くことになりました。私は時折きまぐれに、手に入れたCDに日付を挿むことをしますが、このCDには「1998年2月1日」のメモが挿んであります。しかし最近までほとんど聴くことがなく、棚の奥にしまい込まれた状態でした。
それにしても「パンク・ロック」とは何だったのでしょうか。私の勝手な思い込みかも知れませんが、パンク・ロックといえば刹那的な感情にまかせて楽器を叩きまくるというイメージがありました。だから当時は嫌悪感さえ覚えていました。
しかしこのアルバムでの演奏は確かで、稚拙さは感じられません。もちろん繊細できらびやかなテクニックはありませんが、背のびをしたりでたらめな演奏はなく、自分たちの持てる技術の中で効果的に安定した演奏をしています。
聴いていて「パンク・ロック」を特徴づけるものは何かと考えると、サウンドとしては投げやりな風を演じるボーカル、そして思想的にはストレートな社会批判をする歌詞、つまりボーカリストの個性がパンク・ロックとしてのセックス・ピストルズそのものであったという気がします。
このアルバムは1977年にヴァージン・レコードVirginRecordsLtd.から発表されました。このCDは1995年に「CoolPrice」というシリーズで東芝EMIから1,750円という廉価で発売された日本盤です。(以前このページでボーカリストをシド・ヴィシャスと誤って書き、多くの方からご指摘を受けました。ありがとうございました。)
1998.9.8