このアルバムの邦題は「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ」というものでした。だいたいザッパのアルバムは変なタイトルが多いですが、それにしてもこの邦題はちょっと情けないというか、カッコ悪いというか、まじめに売ろうという気が感じられないタイトルですね。
このCDは、2枚のアルバムをカップリングしたものです。この「TheManFromTheUtopia」に続けて「ShipArrivingTooLateToSaveADrowningWitch」のアルバムが入っています。このアルバムは私がザッパを最初に聴いたものでした。これに比べて1曲目の「CocaineDecisions」がちょっと地味だったことと、ふざけた(?)アルバム・タイトルのおかげで、最初はあまり好きになれませんでした。またいろんなタイプの曲が入っていますから、アルバム全体の統一感が感じられなかったのですが、今ではそれぞれの曲を楽しんで聴いています。
ゴキブリがいたり腐ったバナナが転がっているキッチンの恐ろしさを歌った「TheDangerousKitchen」、後のアルバム「JazzFromHell」のイメージと重なる「ThinkWalkAmok」、「気持ち悪い語り(^_^;)が魅力の「TheRadioIsBroken」、マリンバ風のキーボードが新鮮なインストルメンタル曲「Moggio」、そして軽快なタイトル曲「TheManFromUtopiaMeetsMaryLou」など、どちらかといえば力を抜いた軽く楽しい曲が多いです。そして聴きどころはボーカルとギターが同じフレーズ・ラインを奏でる9曲目「TheJazzDischargePartyHats」から最後の10曲目「WeAreNotAlone」へとつながってゆくところです。
このアルバムは1983年に発表されました。このCDはアルバム「ShipArrivingTooLateToSaveADrowningWitch」とのカップリングでEMIRecordsLtd.から発売された英盤です。
1998.9.4