Transformer / Lou Reed


アメリカン・ロック、特にニューヨーク・アンダーグラウンドというか、この類いの音楽はほとんど聴いてきませんでした。とはいえ、アンディ・ウォーホールがデザインし、あまりにも有名なバナナのジャケット、ベルベット・アンダーグラウンドのファーストアルバムくらいは知っていますが。

このアルバムはとても怪しい雰囲気が満点です。日本盤で歌詞はあるのですが訳詞がないので残念です。ジャケットの裏には、男性のイメージを強調したGパンと白の無地シャツを着た男(たぶんルー・リード)の隣りに、肌を露出させた女装の「男」(たぶんこれもルー・リード)の写真があります。

私の好きなボーカリストは、大きな声で朗々と歌うタイプの人で、ルーリードはちょっと違うタイプというか、決して歌はうまくないのですが(失礼)その声はせつなく、心に響くものがあります。特に3曲目「パーフェクト・デイPerfectDay」はルー・リードの声の魅力がよく感じられるいい曲です。

なぜかこの「パーフェクト・デイ」を聴いたとき、デビッド・リンチの映画「ブルー・ベルベット」で主人公の学生が男たちに拉致された部屋で、ボスがブルースを歌うシーンを思い出しました。デビッド・リンチといえば「ツイン・ピークス」が有名ですが、私は「ブルー・ベルベット」が最高だと思います。ルー・リードの音楽を連想させる退廃的、倒錯的な世界があります。

このアルバムの発表年はクレジットされていないのでわかりません。このCDは1989年にBMGビクター株式会社から「RCA・ロック・スピリッツ」というシリーズで発売された日本盤です。

1998.9.3