タンジェリン・ドリームTangerineDreamを始めて聴いたのがこのアルバムでしたので、これが私にとってタンジェリン・ドリームのイメージになりました。「ルビコンRubycon」は通常Rubiconと綴られるようですが、「ルビコン川」はイタリア中部にある川で、ローマ時代の紀元前49年に、ユリウス・カエサルJuliusCaesar(英語ではジュリアス・シーザー)がポンペイウスに進撃したときに渡った川です。そのとき「さいは投げられた」と叫んで渡ったと伝えられています。
曲はアナログ・レコードのA面に「ルビコン・パート1RubyconPartOne(17:18)」、B面には「ルビコン・パート2RubyconPartTwo(17:35)」の2曲が収められているシンプルなものです。「パート1」では、ちょっと早めの行進程度のテンポのシーケンサーの繰り返しリズムに、シンセサイザーのソロが奏でられます。よく聴くとシーケンサーのリズムが微妙に変化し、リズムの頭がずれるような面白さがあります。
「パート2」では混沌とした音の洪水で始まりますが、やがてシーケンサーのリズムがあらわれ、パート1と同様にシンセサイザーのソロが重なり、曲が展開していきます。「パート1」に比べるとシーケンサーのリズムはよりはっきりと聞こえ、大きく変化します。組曲風の展開になっており、最後は効果音的なサウンドを中心とした、叙景的で静かに曲を終えます。
このアルバムは、1975年にバージン・ミュージックVirginMusicLtd./バージン・レコードVirginRecordsLtd.から発売された、英盤のアナログ・レコードです。
1998.8.31