タンジェリン・ドリームTangerineDreamのアルバムはあまり聴いていませんが、クラウス・シュルツKlausSchulzeのアルバムは考えてみるといろいろと聴いてきたと、あらためて感じます。これはそのクラウス・シュルツのソロ・デビュー・アルバム。といってもクラウス・シュルツはタンジェリン・ドリームではファースト・アルバムに参した後に脱退したとのことですから、そういう意味ではクラウス・シュルツのミュージシャンとしての活動は、このアルバムがスタートと言ってもいいかもしれません。
このアルバムの曲構成はシンプルで、全部で3曲。1曲目「Santz:Ebene(大地)」、2曲目「Santz:Gewitter(雷雨)」、3曲目「Santz:ExilSilsMaria(マリアの追放)」というタイトルが付けられています。1曲目「Santz:Ebene(大地)」では、オルガンが曲のイメージを作っていますから目立ちませんが、それ以外の音はシンセサイザーではなく実際のオーケストラだということです。とても繊細に穏やかに曲は展開し、トレモロが深くなり徐々にリズムを感じさせるように盛り上がっていきます。そして2曲目では激しく逆回転エコーのサウンドがあらわれ、再び荒涼としたサウンドに。3曲目ではさらに絶望すら感じさせる宇宙的な空間が続き、全体としてトータルなイメージをもつアルバムとなっています。
ジャケットのデザインが印象的ですね。荒涼としたイメージが感じられ、学生時代から気になるアルバムでした。でも聴いたのは最近です。弟に紹介してもらって始めて聴くことができました。
このアルバムは、1972年にメトロノーム・ミュージックMetronomeMusikGmbHから発表されました。このCDはポリドール株式会社から「ジャーマン・ロック・コレクション」として発売された、日本盤です。このシリーズでは他に、クラウス・シュルツの作品として「ムーンドーン」、「ミラージュ」、「X」、「デューン」、があり、クラスターの「クラスターU」、「ツッカーツアイト」、ハルモニアの「ハルモニア」、「デラックス」、グル・グルの「カングルー」、「不思議の国のグル・グル」、ファウストの「ファースト・アルバム」、「ソー・ファー」、アンソニー・ムーアの「クラウドランド・ボールルーム」、「ブルー・バッグの秘密」、アモン・デュールの「崩壊」、がラインナップされています。
1998.8.27