Body Love / Klaus Schulze


とっても懐かしいことなんですが、このアルバムを最初に聴いたのは高校時代のFMラジオ番組で、そのとき私は「オープンリール」のテープレコーダーで録音し、長い間これを使って聴いていたことを思い出します。昔から我が家ではテープレコーダーは身近な機械でした。というのは私の父は目が見えないので「音の記録」ということが大切であったからです。また父は生来の機械好きでもありましたから、子どもの私もその恩恵にあずかっていました。

「オープンリール」のテープレコーダーって、わかりますか?年がばれるなあ。直径30cmや20cmのリールに、磁性体を塗ったテープが巻きつけられていて、カセットテープのようにケースに入ってないんです。ちょうど映画のフィルムのような感じといえばわかりますかね。それを機械の回転軸にセットし、他方の軸にはテープの巻いてない「空リール」をセット、テープをヘッド部分のメカニズムに通して「空リール」へ巻き付けて動かす、というものです。巻き付けるときやレープが終わったとき、どうしても端が切れたりするのでテープがだんだん短くなったりします。

カセットテープレコーダーが普及しても、長いことオープンリールのテープレコーダーも使っていました。それは聴きたい録音テープがたくさんあったことと、当時はやはりカセットよりも音が良かったこと(テープの幅が広いし、速度も速かった)、それと長時間録音ができたことです。ブライアン・イーノの「ディスクリート・ミュージック」などは一日中部屋に鳴りつづけて欲しい音楽ですが、これをオープンリールのテープに低速で何度も切れ目なくつながるように録音して再生すると、音質は悪くなりますが何時間も聴きつづけることができました。今ならCDで連続再生するところですが。

さてこのアルバムは、タンジェリン・ドリームのメンバーでドラマーのクラウス・シュルツKlausSchulzeが、映画「ボディ・ラブBodyLove」のために作ったサウンドトラック・アルバムです。ジャケットには「Additions to the original soundtrack of Body Love for Love Film Productions Composed by Klaus Schulze」と書かれています。

淡々と叩かれゆっくりと曲を盛り上げるドラムに、シンセサイザーを中心としたキーボードが重なる、というのがアルバム全体のイメージです。ドラムはクラウス・シュルツ自身ではなく、HaraldGrosskopfという人が叩いています。

このアルバムは、1977年にアイランド・レコードIslandRecordsLtd.から発売された、英盤のアナログ・レコードです。

1998.8.26