The Man Machine / KRAFTWERK


これはクラフトワークのアルバムで、始めて私が聴いたものです。当時、日本版のレコードはたいてい2,500円以上はしていましたが、輸入版なら1,500円程度で買えました。ですから高校生としてはよほどのことがない限り輸入版、それも英盤は程度が良いけども値段が少し高めでしたので、安い米盤を買うことが多かったです。昨日のアルバムでも書きましたが、神戸の三宮には「AOI」というレコード店があって良く行きました。この店は、アフター・サポートがいいというか、輸入盤であっても傷があったりすると交換してくれるので、安心して買うことができました。

クラフトワークのアルバムで最も有名だったのは「アウトバーン」でしたが、私が最初に手にしたのは、この「人間解体TheManMachine」でした。蝋人形のようにメイクされたメンバーの写真が強烈な赤色のジャケット、「人間解体」という邦題の持つ猟奇的なイメージ(買ったのは輸入版でしたけど)にひかれたからです。

ハード・ロックに少し飽きを感じはじめた頃で、もっと多様な音楽を聴きたいと思っていたときでしたが、それにしてもこのアルバムの印象は強烈でした。「なんだこれは?」という気持ちでしたね。繰り返しが単調すぎる、音がスカスカする、歌がへたくそ(失礼)、と、それまでのロック観をまったく壊してくれました。しかし何度か聴いていると徐々にその魅力に取り付かれていきました。当時は輸入版のレコードで、スクラッチ・ノイズに悩まされましたが、今ではCDで快適に聴くことができます。今でもクラフトワークは、このアルバムを聴くことが最も多いです。

このアルバムは1978年にキャピトル・レコードCapitolRecords,Inc.から発表されました。私の手元には2枚のCDがあって、ひとつは「クールプライス」というシリーズで1995年に東芝EMI株式会社から1,750円という廉価で発売されたもの、もうひとつは「パストマスターズ」と題されたシリーズで同じく東芝EMI株式会社から、たぶん1988に発売されたものです。いずれも1978年に発売されたアナログ・レコードに書かれた伊藤政則さんの解説が転載されていますが、1995年発売の「クールプライス」のものには歌詞と訳詞も載っています。

1998.8.7