Who Do We Think We Are ! / DEEP PURPLE


「バイブル」と言っていいほどのアルバム「ライブ・イン・ジャパンLiveInJapan」の次に発表されたアルバムで、これを最後にイアン・ギランIanGillanとロジャー・グローバーRogerGloverは脱退、ボーカリストとしてデビッド・カバーディルDavidCoverdale、ベースおよびセカンド・ボーカルとしてグレン・ヒューズGlennHughesを迎えた「第3期」が始まることになります。

このアルバムを聴くと、イアン・ギランの音楽性がひしひしと感じられます。それは曲の雰囲気が、後の「イアン・ギラン・バンド」で演奏されるものと近いものが感じられるということです。それに対してリッチー・ブラックモアのギターは特徴がなく、なんとなくやる気のないように聞こえます。解説の広瀬和生さんによると、リッチー・ブラックモアは「俺は殆どアイデアを出さなかった。最悪のアルバムだと俺は思っているよ」と言ったとのことです。

例えばそれは2曲目「マリー・ロングMaryLong」のボーカル・ラインに感じられたり、3曲目の「スーパー・トゥルーパーSuperTrouper」はそのままイアン・ギラン・バンドのアルバム「スキャラバスScarabus」に収められてもいいような雰囲気ですし、4曲目の「スムース・ダンサーSmoothDancer」はこれもイアン・ギラン・バンドのアルバム「ギランGillan」にありそうな曲です。5曲目「ラット・バット・ブルーRatBatBlue」、6曲目「プレイス・イン・ラインPlaceInLine」、7曲目「アワ・レディOurLady」、どの曲もイアン・ギランの「匂い」をいちばん強く感じます。そういう意味で、このアルバムは一般的にはパープル・ファンには物足りないものかもしれませんが、私にはとても素敵なアルバムです。

このアルバムは1973年にワーナー・ブラザーズ・レコードWarnerBros.RecordsInc.から発表されました。このCDは「フォーエバー・ヤング・シリーズ」と題され、雑誌「Burrn!誌推薦版」としてワーナー・ミュージック・ジャパンから発売された日本盤です。

1998.8.5