Free Jazz / Ornette Coleman


このアルバムは「異色の作品」という意味で、ジャズの歴史に残るアルバムです。「フリー・ジャズ」という言葉が示す、代表的なアルバム、と言っていいでしょう。

「オーネット・コールマン・ダブル・カルテット」とジャケットに書かれているとおり、録音には2人のドラム奏者、2人のベース奏者、2人のトランペット奏者、そしてアルト・サックスとバス・クラリネット、という8人のミュージシャンが参加しています。そしてそれぞれの演奏はステレオの右チャンネルと左チャンネルに分けて録音されています。左チャンネルには、オーネット・コールマンOrnetteColeman(AltoSax)、ドン・チェリーDonCherry(PocketTrumpet)、スコット・ラファロScottLaFaro(Bass)、ビリー・ヒギンズBillyHiggins(Drums)が、右チャンネルには、エリック・ドルフィーEricDolphy(BassClarinet)、フレディ・ハバードFreddieHubbard(Trumpet)、チャーリー・ヘイデンCharlieHaden(Bass)、エド・ブラックウェルEdBlackwell(Drums)が演奏しています。

なんとなく聴くと、各メンバーは勝手に好き放題に音を出しているように聞えますが、よく聴くと互いに影響を与えながら演奏し、インプロビゼーションの合間に計算されたテーマを挟み込むという、音楽の基本的な要素はきちんと押さえています。

確か解説書によると、オリジナルの演奏は1回の録音でOKが出た、と伝えられていたように記憶していますが、このCDにはボーナス・トラックとして「ファースト・テイクFirstTake」が加えられています。オリジナルの演奏は37:03ですが、この「ファースト・テイク」は17:00と短め。メンバーも互いに牽制し合い、テンポも速め。ぎこちない印象を否めません。ライナーによると、この「ファースト・テイク」が発表されたのは、1971年に発表され、1981年にリイシューされたアルバム「ツインズTwins」でだということです。

このアルバムは1961年にアトランティック・レコーディング・コーポレーションAtlanticRecordingCorporationから発表されました。このCDは米盤です。何年に発売されたものかは不明です。

1998.7.31