今はソロ・ミュージシャンとして、エンターテイナーとしての地位を不動としたフィル・コリンズPhilCollinsですが、当時はまだ「ジェネシスGenesis」のリーダー、「ブランド・エックスBrandX」のドラマー、として知られていました。これはそのフィル・コリンズの1stソロ・アルバム。
最初に聴いたとき、1曲目「夜の囁きInTheAirTonight」の音の少なさに驚きました。バッキングは可能な限り切りつめて、かすかにエフェクトされたフィルのボーカルがとても印象的です。そして後半、たたみ込むようにあらわれるタイトなドラムの展開にも驚きました。「これでもか」といわんばかりに叩かれるドラムス。いかにも「ドラマーでボーカリスト」の曲といったところです。
2曲目「愛の証ThisMustBeLove」も名曲です。3曲目「ビハインド・ザ・ラインズBehindTheLines」も名曲だなあ。弾むリズムに心が揺れます。4曲目「天を仰いでTheRoofIsLeaking」も忘れ難い曲だなあ。5曲目「ドロウンドDroned」へつながるところも渋い。そして流れるように6曲目「ハンド・イン・ハンドHandInHand」が始まります。ああ、これもいい曲。7曲目「アイ・ミスト・アゲインIMissedAgain」も名曲。
8曲目「言葉はいらないYouKnowWhatIMean」はジェネシス風の曲。フィル・コリンズ自身によるピアノの伴奏で歌われる曲です。9曲目「雷鳴と稲妻ThunderAndLightning」はタイトでポップな曲。これもいいメロディー。10曲目「アイム・ノット・ムーヴィングI’mNotMoving」、そして最後11曲目はビートルズのカバー「トゥモロゥ・ネヴァー・ノウズTomorrowNeverKnows」で静かに閉じられます。
このアルバムは私が20才の時に聴いたものですから、心に残る大切なアルバムです。このアルバムは1981年にアトランティック・レコードAtlanticRecordingCorporetionから発表されました。このCDはワーナー・ブラザーズ/WEA・ミュージックから発売された日本盤です。
1998.7.26