Sex & Religion / Steve Vai


私の大好きなギタリスト、スティーブ・ヴァイのアルバム。「フレクサブルFlexable」、「パッション・アンド・ウォーフェアPassionAndWarfare」では多重録音による万華鏡のような華やかにきらめくインストゥルメンタル・サウンドを楽しませてくれましたが、このアルバムでは打って変わって「バンド」を意識したものとなっています。

メンバーは、フランク・ザッパ・バンドに在籍していたテリー・ボジオTerryBozzio(Drums&Percussion)、マハビシュヌ・オーケストラなどに在籍していたT.M.スティーブンス(Bass&Vocals)、そしてギターはスティーブ・ヴァイSteveVai(EverythingElseとクレジットされています)で、ボーカルには当時21才の新人デヴィン・タウンゼンドDevinTownsend(LeadVocals)が参加しています。

とにかくバンド・サウンド満開で、シャウトするボーカルとあいまって、ヘビー・メタルなサウンドに仕上がっています。楽曲としても魅力も素晴らしく、2曲目「Here&Now」のギター・リフ、3曲目「InMyDreamsWithYou」のコーラスなど、一度聴いたら忘れられない印象的なものです。そして4曲目「StillMyBleedingHeart」。これは名曲。スティーブ・ヴァイのファンだという病床に伏した少年が、ヴァイと知り合った後しばらくして亡くなったそうです。この曲はその彼のことを歌ったもので、せつなく感動的な曲です。そして何よりギター・ソロが素晴らしい!!

7曲目「TouchingTongues」は歌うようなヴァイのギター・ソロで始まるロマンチックなインストルメンタル曲。ワーミー・ペダルを効果的に使っています。8曲目「JustCartilage」は日本盤のみのボーナス・トラック。東洋的なフレーズが多用されています。9曲目「StateOfGrace」は、シタール風のサウンドで演奏されたインストルメンタル曲。ギター・シンセサイザーによるものでしょう。

13曲目「DownDeepIntoThePain」は、まさにヴァイの魅力満開の曲。流れるようなギター・ソロと脳みその奥をかきむしるようなカッティング・サウンド。最後の14曲目「RescueMeOrBuryMe」はアコースティック・ギターで始まり、ヴァイの長いギター・ソロが楽しめる穏やかな曲でアルバムを閉じます。

このアルバムは1993年にレラティビティ・レコードRelativityRecordsInc.から発表されました。このCDはソニー・レコードSonyRecordsから発売された日本盤です。折りたたまれたジャケットを開くと、日本を意識したデザインがあらわれます。

1998.7.25