東京は夜の7時 / 矢野顕子


矢野顕子さんの演奏を始めて聞いたのは、忘れもしないYMOのライブ・ツアーのラジオ放送。独特のハスキーなボーカルも印象的でした。それから何枚かのソロ・アルバムを聴きましたが、最近はあまり耳にすることもありませんでした。ところで先日masさんのMacを買いに行ったとき、marさんが矢野顕子さんのファンだということを知り、「いちばんのお勧めは」と聞くとこのアルバムを紹介してくれました。

このアルバムはライブ・アルバムです。「最初にして最後の超豪華メンバーによるライヴ・セッション。YMOをバックにシンガー矢野顕子の実力が最も発揮された伝説の名盤!」と書かれており、高橋幸宏(Drums&Synthdrum)、細野晴臣(Bass)、松原正樹(Guitar)、矢野顕子(Piano&RollandJP−4)、坂本龍一(Polymoog、ArpOdyssey、FenderRhodes、KorgPS−3100、CowBell)、MotoyaHamaguchi(Percussion)、吉田美奈子(Chorus)、山下達郎(Chorus)、Motsu(Chorus)、ShigenoriKamiya(RollandMC−8、JP−4Operation)が参加しています。

演奏はリラックスしたもので、アットホームで楽しいコンサートの様子が伝わってきます。あくまでも日本風のJAZZを演奏するという姿勢は、子どもの歌を題材にした3曲目「サッちゃん」、6曲目「いもむしごろごろ」、そしてTVで野球を観戦しているという様子を歌った「行け柳田」にも良く現れています。5曲目「気球にのって」は、まるで違う歌かと思われるほど変調されていて、ちょっと不思議な雰囲気です。

7曲目「カタルンカララン」では、「蜂さん蜂さん刺さないで、蜂さん蜂さん、僕、恐い」というフレーズを聴衆も一緒に歌い、これは一度聴いたら頭からはなれないほどインパクトのあるフレーズです。

このアルバムは1979年に発表されました。このCDは「Q盤選書」として徳間ジャパンコミュニケーションズから1994年に発売された日本盤のCDです。

1998.7.6