私をロック・ミュージックに目覚めさせてくれたスコーピオンズScorpionsのRCA移転後のファースト・アルバム。邦題は「電撃の蠍団」。ジャケットのデザインが決め手になったのでしょう。ブレイン・レーベルでの「ロンサム・クロウ」はバンドのコンセプトが実質的に全く違いますから、このアルバムがファースト・アルバムであると言ってよいでしょう。
メンバーはルドルフ・シェンカーRudolfSchenker(Guitar、Vocals)、ウリ・ロートUlrichRoth(LeadGuitar、Vocals)、クラウス・マイネKlausMeine(LeadVocals)、ユーゲン・ローゼンタールJurgenRosenthal(Drums)、フランシス・ブッフホルツFrancisBuchholz(BassGuitar)です。ドラムのユーゲン・ローゼンタールという人はこのアルバムだけの参加で、他のメンバーはこれ以降パーマネントのメンバーとなります。
とにかくシンプル。気恥ずかしくなるくらい(^_^;)シンプルです。しかしそれがグイグイと迫ってくるのは、若い頃に聴いたという私の思い込みでしょうか?冒頭1曲目「スピーディズ・カミングSpeedy’sComing」のぎゅーんとうなるギターは、何物にも喩えようなく刺激的で、「音」そのものがもたらす快感の不思議さを感じます。2曲目「ゼイ・ニード・ア・ミリオンTheyNeedAMillion」はアコースティックのギターで豊かに聴かせますが、途中で大きく展開する曲。3曲目「ドリフティング・サンDriftingSun」ではさっそくウリ・ロートがかすれ声の渋いボーカルを聴かせてくれます。アナログ・レコードA面最後の4曲目「フライ・ピープル・フライFlyPeopleFly」はメロディアスな美しい曲。ギター・ソロがとても印象に残るメロディーです。
5曲目、アナログ・レコードB面の冒頭を飾る曲は、フェイド・インで始まります。「ジス・イズ・マイ・ソングThisIsMySong」。とてもストレート。歌を自分の生き方と重ねあわせ、「これが俺の生き方だ」みたいな歌。私の大好きな曲です。6曲目「ファー・ア・ウェイFarAway」も静かな雰囲気で始まり、クラウス・マイネの歌が爽やかに響きます。しかし途中からストレートなアレンジに急展開。最後のタイトル曲「フライ・トゥ・ザ・レインボウFlyToTheRainbow」は9分31秒という大作。ボーカルもたっぷり、ギターもたっぷりという大満足の曲です。
このアルバムは1976年にRVC株式会社から発売された日本盤のアナログ・レコードです。日本では2ndアルバムの「復讐の蠍団(すごいタイトルですね)InTrance」が先に発売され、その後にこれが発売されるという逆のリリースになりました。
1998.6.10