Camembert Electrique / GONG


ゴングは、ごく初期のソフト・マシーンのメンバーであった、デビッド・アレンDavidAllenが率いるバンドです。「カンタベリー派」主流のグループで、様々なメンバーを入れ替えながら1969年頃から活動を始め、3rdアルバムがこの「カマンベール・エレクトリックCamembertElectrique」ということになります。またその後、いわゆるラジオ・グノーム・インビジブル3部作と呼ばれる、「フライング・ティーポットFlyingTeapot」、「エンジェルズ・エッグAngelsEgg」そして「ユーYou」を発表しますが、その後活動は停滞。ドラマーにクリス・カトラーChrisCutlerやビル・ブラフォードBillBruford、ピプ・パイルPipPyleなどが参加したこともあるようですが、アルバムなどは出していないようです。

まずは3曲目の「アイヴ・ビン・ストーン・ビフォーI’veBinStoneBefore」が聞き物です。15拍子、7拍子、8拍子と変拍子が入り込んだ構成で、頭の中が掻き回されそうで気持ちいいです(^_^;)。4曲目「ミスター・ロング・シャンクスMisterLongShanks:OMotherIAmYourFantasy」はフリッパートロニクス風の幻想的な演奏に、レディ・ジェーンのソロ・アルバムのような印象の女声がからむ不思議な曲です。5曲目「ダイナマイトDynamite」では「ダイナマイト、ダイナマイト」と連呼するボーカル(?)が印象的です。

全体的にポップな印象で、9曲目「トライド・ソー・ハードTriedSoHard」、最後の10曲目「トロピカル・フィッシュTropicalFish:Selene」などは、シド・バレットがいた初期のピンク・フロイドのようなサイケデリックの香りがします。そういえば怠惰な歌い方は、Pilのジョン・ライドンを想起させるものですね。意外とパンクとカンタベリー・ロックは共通点があるかも!?

このアルバムは1971年に発表されました。このアナログ・レコ ードは1979年に「ヨーロピアン・ロック・コレクション、ブリティッシュ・ジャズ・ロック”チャーリー編”」と題して、チャーリー・レコードと契約したキングレコード株式会社から発売された日本盤です。ライナーにはいわねあつみさんが、キャラバン、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、キース・ティペット・グループ、ナショナル・ヘルス、ギルガメッシュ、ソフト・マシーン、ニュークリアス、ナインセンス、ゴングなどカンタベリー派ロック・ミュージシャンの詳細な相関図がかかれていて圧巻です。

1998.5.27