Tehillim / Steve Reich


天は神の栄光を物語り
大空は御手の業を示す
昼は昼に語り伝え
夜は夜に知識を送る
話すことも語ることもなく
声は聞こえなくても
その響きは全地に
その言葉は世界の果てに向かう

喜びをもって生き
長生きして幸いを見ようと望む者は
舌を悪から
唇を偽りの言葉から遠ざけ
悪を避け業を行い
平和を尋ね求め追い求めよ

あなたの慈しみに生きる人にあなたは慈しみを示し
無垢な人には無垢に
清い人には清くふるまい
心の曲がった者には背を向けられる

太鼓に合わせて踊りながら神を賛美せよ
弦をかき鳴らし笛を吹いて神を賛美せよ
シンバルを鳴らし神を賛美せよ
シンバルを響かせて神を賛美せよ
息あるものはこぞって主を賛美せよ
ハレルヤ

日本聖書協会「新共同訳聖書」(CD解説)より

ライヒ自身の解説によると「テヒリームTehillim」は「詩篇」を表すヘブライ語で、「賛歌」を意味するとのことです。解説の川西真理さんによれば、ライヒはドイツ系ユダヤ人であるとのことで、1976年頃からユダヤ教を積極的に学ぶようになったといいます。

ユダヤ教会で伝承されている上記のような内容のヘブライ語のテキストが、比較的長い旋律で女声によって歌われます。テキストは4部に別れており、Parts1と2、Part3と4はそれぞれ連続して演奏されます。

「テヒリーム」はシュトュッツガルト北ドイツ・ラジオ、ケルン西ドイツ・ラジオ、ヒューストンのロスコ教会の委嘱により、ベティ・フリーマン、ロックフェラー財団、ユダヤ文化記念財団の援助を得て作曲されたとのことです。世界初演は「スティーブ・ライヒと音楽家たち」の演奏で、ジョージ・マナハンの指揮によって、ケルン西ドイツ・ラジオで行われました。

このアルバムは1982年にECMレコードECMRecordsGmbHから発表されました。このCDはポリドール株式会社から同年に発売された日本盤のCDです。

1998.4.11