解説で市川哲史さんがブライアン・イーノBrianEnoにインタビューしたときのことを書かれていて、「現在生存するミュージシャンの中で訊き手に最もフラストレーションを溜めてくれる『偉大』な人は、この男なのではないだろうか」と述べています。インタビューの条件が厳しいこと、話が難解であること、など鏤々述べられており、イーノのインタビューと市川さんの解説がとてもおもしろいので、興味のある方はCDを買ってください(^_^;)
収められた曲は10曲。「Triennale」「Alhondiga」「Markgraph」・・・など全てアルファベット10文字で綴られた、意味不明の単語がつけられています。サウンドもきわめて抽象的なもので、「モスクワ在住の画家シュトフの作品の音楽化」と言われたようですが、なんだかそれも怪しく思えます。
表面的には環境音楽風の作品ですが、どうもイーノの作品とは思われないほど暗いサウンドです。サスペンス映画の効果音にピッタリでは、と思うほどの音楽です。ゆらぐ低音と不協和音が、そう思わせる原因でしょう。
このアルバムは1992年にワーナーから発売された日本盤のCDです。
1998.3.26