Nerve Net / Brian Eno


ブライアン・イーノBrianEnoは1985年のアルバム「サーズデイ・アフタヌーンThursdayAfternoon」以降、1991年に「マイ・スケルチイ・ライフMySquelchyLife」と名づけたアルバムを作成しますが、結局発売は見送られることとなり、その幻のアルバムから「マイ・スケルチイ・ライフ」と「ジュジュ・スペース・ジャズ」の2曲に他10曲を加えて作られたのがこのアルバムです。

参加メンバーは各曲により様々ですが、あまり私の知っているミュージシャンは少なく、ロバート・フリップRobertFripp(guitar)、ロバート・クインRobertQuine(Guitar)、ジョン・ポール・ジョーンズ(Piano)くらいでしょうか。解説の市川哲史さんによると、ベンモント・テンチBenmontTenchはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのメンバー、イアン・デンチIanDenchはジーザス・ジョーンズ周辺のミュージシャンだそうです。

これまでイーノが追求してきた環境音楽とは違い、主にリズムとベースを主体としたアバンギャルド・ポップな曲が中心のアルバムになっています。ダンス音楽と言ってもいいくらいです。しかし音の使い方は普通ではなく、「ローファイ」と思われるような音も実に有効に組み込まれています。立花ハジメのある時期のアルバムに近い印象を受けました。

アルバム「ビフォー・アンド・アフター・サイエンスBeforeAndAfterScience」以来、久しぶりにイーノのボーカルが聴けるということで期待されたアルバムでもありますが、極端に加工されていたり、つぶやきのようなものだったりします。私はイーノの生々しいボーカルが好きだったので、そういう点では楽しめませんでした。

このアルバムは1992年にワーナーから発売された日本盤のCDです。

1998.3.25