Three Of A Perfect Pair / KING CRIMSON


再結成キング・クリムゾンの3枚目。このアルバムも前作「Beat」そして前々作「Discipline」と同じメンバーによる演奏です。アルバム・クレジットは、エイドリアン・ブリューAdrianBelew(voice、frettedand fretless guitars)、ロバート・フリップRobertFripp(guitar)、トニー・レビンTonyLevin(bass、stick、synthand background voice)、ビル・ブラフォードBillBruford(acousticand electric drumming)、のカルテットです。

このアルバムまでの3作のクレジットを見ると、メンバーの役割が微妙に変化していることがわかります。エイドリアン・ブリューは、「guitar、lead vocal」−「guitar、lead vocal」−「voice、fretted and fretless guitars」となり、ボーカルの比重が高くなったこと、ギターパートも重要になったことがうかがえます。反対にフリップは「guitar and devices」−「guitar、organ、frippertronics」−「guitar」と変ってきます。トニー・レビンは「stick、bass guitar、support vocal」−「(同左)」−「bass、stick、synth and background voice」となり、ブラフォードは「batterie」−「drumming」−「acoustic and electric drumming」となります。次第にフリップの比重が小さくなり、ほかのメンバーの存在感が大きくなってきたようです。

「Discipline」でのブラフォードのクレジット「batterie」について、友人Meeraに聞くと、最初は彼女も首を傾け、「”バッテリー”という名前のドラム・キットではないか」と言いました。確かこの頃、ブラフォードはシモンズ・エレクトリック・ドラムの開発に携わっていたはずですから、そのことかも知れません。

このアルバムは、片面(アナログ・レコードでA面)が「LeftSide」、もう片面(アナログ・レコードでB面)が「RightSide」と名づけられています。フリップの言葉によれば、LeftSideは「accessible−近づきやすい」、RightSideは「excessive−極端な」であると説明されています。確かにLeftSideに相当する1曲目から5曲目までは聴きやすく、前作「Beat」の延長という感じです。それに対してRightSideの4曲は、ポップとは言い難く、聴きにくいかもしれません。

最後の曲には「太陽と戦慄パートV(Larks’TonguesInAspicPartV)」のタイトルが付けられています。ファンの期待を裏切らない熱い演奏です。

このアルバムは1984年に発表され、ポリドール株式会社から発売された日本盤のアナログ・レコードです。

ここでクリムゾンの紹介は一時中断し、明日からロバート・フリップのアルバムや、関連してブライアン・イーノのアルバムを紹介していきたいと思います。

1998.3.15