これは私がキング・クリムゾンでいちばん好きなアルバムです。第1期クリムゾン(「宮殿」時代を第一期、「ポセイドン」から「アイランド」までを第二期という人もいます)の最後、通算4枚目の公式アルバムです。これを発表した後、クリムゾンはアメリカン・ツアーを行います。そしてピート・シンフィールドが脱退。その後再びアメリカン・ツアーを行い、ボズ・バレル、イアン・ウォレスとロバート・フリップの音楽的溝は深まります。そして5月には事実上の解散、フリップは人々の前から姿を消したと言われています。
弦で弾かれるダブルベースのゆったりとした音、フルート、ピアノ、かすかに聞こえるパーカッションの音。あくまでも静かに始まる1曲目「FormenteraLady」。どちらかといえば音圧は小さく、淡々と演奏が続く感じがします。続いてメロトロンのように持続するフリップのギターが印象的な「Sailor’sTale」。間奏で聴かれるカッティングを刻んだインプロビゼーションは、まさにフリップ独特のもの。最後は静寂から荘厳な宇宙的音空間へと、激しく盛り上がります。
「TheLetters」の詩は素晴らしいということですが、英語力の乏しい私には、その良さが本当には解っていないのかも知れません。「LadiesOfTheRoad」は、クリムゾンに絶望したピート・シンフィールドが、皮肉を込めて作った詩というのが一般的な見方のようです。この曲ではボズ・バレルBozと、イアン・ウォレスIanWallaceの主導権が発揮されているような気がします。
アイランドは最初輸入版の米盤を買いましたが、あまりにスクラッチノイズがひどかったので、その後英盤を手に入れました。米盤と英盤はアルバムのジャケットも違いますし、B面の最後にちょっと違うところがあります。
このアルバムは1971年に発表されました。このCDは1971年にフランスで発売されたと書いてあります。1971年にCDって、もうありましたっけ?
1998.3.6