Lizard / KING CRIMSON


このアルバムを聴いたのは、かなり後になってからでした。当時私の周辺ではこのアルバムに対して賛否両論があって、それで聴くのをためらっていたように記憶しています。しかし多くの人がグレッグ・レイクGregLakeのボーカルを賞賛しますが、私はこのアルバムでのゴードン・ハスケルGordonHaskellのボーカルが大好きです。

アルバムはさらに物語性を増し、曲はすべてフリップとシンフィールドの作詞作曲となりました。5曲目「リザードLizard」の中の「ルーパート王子のめざめPrinceRupertAwakes」ではイエスYesのジョン・アンダーソンJonAndersonがボーカルに参加していたり、バンドとしての統一感は欠けています。

北村昌士さんが書かれた本「キング・クリムゾン−至高の音宇宙を求めて」(シンコーミュージック刊)は、メロディ・メイカーの「BobFripp,KeithTippettAndCrimson’sResurrection」というレポートにあるロバート・フリップとキース・ティペットKeithTippettのインタビューを引用した後、「この時22才の聡明なピアニスト、キース・ティペットは以後、ロバート・フリップ/キング・クリムゾンに決定的な影響を及ぼし、また、その音楽性の改革的変遷において並々ならぬ役割を演じている。」と書いています。確かにこのアルバムでは、ファーストやセカンド・アルバムにはなかったジャスの香りが随所でしています。

このアルバムは1970年に発表され、このCDは1989年にロバート・フリップとトニー・アーノルドTonyArnordによってリマスターされたもので、1990年にヴァージン・ジャパン株式会社から発売、ビクター音楽産業株式会社から販売された日本盤です。

1998.3.5