In The Court Of The Crimson King / KING CRIMSON


うかつには紹介できないアルバムです。天下のキング・クリムゾンKingCrimsonのファースト・アルバムです。私がキング・クリムゾンと出会ったのは高校生の頃、「ザ・ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥー・キング・クリムゾン」でした。これは当時、輸入盤にカラーの詳細なブックレットが付いていて、日本盤を持っているんだけどブックレット欲しさに輸入盤も買った友達から、よく分からずに「これはいいレコードだ」と言われて押し付けられた(?)ものです。

最初はよく分かりませんでした。当時はハードロック全盛で、私なんかはキッスとかエアロスミスとかを聴いていましたから。だいたい私は音楽的感性が低かったと思います。友人から教えられても良さがわからず、棚に入れたままになってしまうことが多かったと思います。

で、このファースト・アルバムを手に入れたのは、それからずいぶん後だったように思います。まずジャケットに圧倒されました。「いったい、どういう心境で、この絵を描いたんだろう」という気持ち。だいたい買ってもらおうと思うと、かっこいいメンバーの写真とか、ファンタスティックなイラストとか、好感を持てるようなジャケットであるはずなのに、この赤ら顔の男・・・だか女だかわからないデザインは何ナノだ?と思いました。

このアルバムについては、様々な賛辞があると思います。私が今聴いて思うのは、ドラミングのユニークさ、メロトロンの大胆な使い方、そして計算しつくされてはいるが、意外と技術的には稚拙なロバート・フリップRobertFrippのギター、というところでしょうか。

多くの人が思うことでしょうが、「エピタフEpitaph」は歴史に残る名曲です。グレッグ・レイクGregLakeの声が、曲の印象にほんとうにぴったりとはまっています。

このアルバムは1969年に発表され、このCDは1989年にロバート・フリップとトニー・アーノルドTonyArnordによってリマスターされたもので、1994年にポニー・キャニオンから発売された日本盤です。

1998.3.3