Dark Side Of The Moon / PINK FLOYD


ほんとうは今日からキング・クリムゾンを紹介する予定だったのですが、たまたま近所のスーパーでこのCDを安く手に入れたので紹介します。もちろんいつかは紹介しようと思っていたアルバムです。有名なピンク・フロイドの、そして代表作のアルバムです。邦題は確か「狂気」だったと思います。

学生時代に強烈に影響を受けたアルバムであると同時に、今でも聴くたびに新しい発見があるアルバムです。「新しい発見」というのは、サウンド面で特に凝った処理をしている訳ではなくて、歌の内容が少しづつわかるようになってきた、ということです。詩はすべてベーシストでもあるロジャー・ウォーターズRogerWatersが書いています。彼は1944年生まれで、このアルバムは1973年発表。ロジャー・ウォーターズ29才頃の作品です。学生時代には学生なりの理解があったのですが、やはり私も30を超えてから分かるようになった気がします。

簡単な言葉で綴る素晴らしい詞。何度聴いても涙が出そうに胸をしめつけ、とてつもないスケールで迫りエンディングを迎える最期の曲「Eclipse」を、私なりに訳してみるとこうなります。
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All that you touch 貴方が触れるもの
All that you see 見えるもの
All that you taste 味わうもの
All you feel 感じること
All that you love 貴方が愛するもの
All that you hete 憎むもの
All that distrust 信じないもの
All you save 救うもの
All that you give 貴方がくれるもの
All that you deal 分かち合うもの
All that you buy 買ったもの
beg,borrow or teal 乞い、借り、盗んだもの
All you create 貴方が創り出したもの
All you destroy 壊したもの
All that you do したこと
All that you say 言ったこと
All that you eat 貴方が食べたもの
everyone you meet 会った人すべて
All that you slight 気にかけなかったもの
everyone you fight 戦った人すべて
All that is now
All that is gone 過ぎ去りし過去
All that’s to come 未来
and everything under the sun in in tune すべては太陽の光を受けて調和するが
but the sun eclipsed by the moon. いつか太陽は月に食されてしまうだろう

「Eclipse:Word by Roger Waters」

このアルバムは1973年発表で、ピンク・フロイドの名前を全世界に轟かせました。CDで聴き直してあらためて思うことは、意外に電子音を使っていないということ。例えば冒頭と最後の「鼓動」は、よく聴くと電子楽器の発信音ではなくバスドラムのキック音だということがわかります。2曲目の「OnTheRunではシンセサイザーのシーケンスが使われていますが、これ以外はほとんど使われていないようです。エフェクトもエコー、リバーブくらいで、結局ギター、ベース、ドラム、オルガン、ピアノという楽器の音の魅力を十分に引き出しているところが、いつまでも新鮮に聴ける理由のように思います。

このCDは1992年にデジタル・リマスターされ、1994年にEMIから再発された米盤です。ライナーのデザインも一新され、メンバーの写真や印象的なデザイン・フォトに歌詞が書かれています。

1998.3.2