Shiny Beast / CAPTAIN BEEFHEART AND THE MAGIC BAND


キャプテン・ビーフハートは本名ドン・ヴァン・ヴリート。日本ではあまり知られていないミュージシャンで、ディスクの入手も困難でした。しかし1993年にワーナー・ミュージック・ジャパンが「キャプテン・ビーフハートCDコレクション」を発売し、有名な作品は手に入れやすくなりました。

解説の湯浅学さんによると、ビーフハートは1975年秋または1976年初頭に「BatChainPuller」を録音しますが、これがレコード会社とのトラブルでお蔵入りとなったそうです。その後1978年に作り直す形でこのアルバム「ShinyBeast」が発表されたとのことです。

一般的には「トラウト・マスク・レプリカ」が代表作といわれるキャプテン・ビーフハート。私はこのアルバムが一番好きです。ギターがとても自由にドライブしています。「BatChainPuller」録音時のメンバーで残っているのはギターのジェフ・モリス・テッパーJeffMorisTepperだけだということですから、サウンドの要となっていることが頷けます。多くの人がバンドのメンバーに対するビーフハートの要求が難しいことを語っていますから、おそらくジェフはビーフハートとのコンビネーションが良かったのだと思われます。

「内臓で歌っているのである」と湯浅さんは書いています。この言葉はまったくビーフハートの声を言い当てています。体全体が震えるような声。そして自由奔放なギター。ブルース・ファウラーBruceLambourneFowlerのトロンボーンも不思議な雰囲気をもっています。

このアルバムは1978年の作品です。当時私はアナログ輸入版で持っていました。このCDは1993年「キャプテン・ビーフハートCDコレクション」として発売されたものです。

1998.2.23