ケビン・ゴドレーKevinGodleyとロル・クレームLolCremeは、エリック・スチュワートEricStewart、グレアム・グウルドマンGrahamGouldmanとともに「10CC」というグループで活動していました。「10CC」は1977年に解散し、ゴドレーとクレームは「ゴドレー・アンド・クレーム」として、ステュワートとグウルドマンは「10CC」の名前で活動を続けることになりました。彼らの音楽性がどのように違ったのか興味のあるところですが、私は「10CC」のことをよく知りません。
「フリーズ・フレームFreezeFrame」とは映画のコマ送り、またはストップモーションのことです。CDライナー解説の山田道成さんによると、ゴドレー・クレームは映画というメディアをこよなく愛しているとのこと。そういえば歌詞も映画のシーンを表現しているかのように叙事的です。
シニカルな詞とともに音に対するこだわりも相当なもので、音数は極めて少なくまとめられていますが、一音一音が繊細な感性で仕上げられています。音数が少ないために、全体の雰囲気が広い空間を感じさせるものになっているような気がします。
3曲目の「アイ・ピティ・イナニメイト・オブジェクツIPityInanimateObjects」ではピッチ・モジュレートされたボーカルが聴かれますが、この手法は、これも私の大好きなグループムーン・ライダースのアルバム「ドント・トラスト・オーバー・サーティDon’tTrustOverThirty」にある「超C調」でも、より洗練されて使われています。
2曲目の「ランダム・ブレイン・ウェイブRandomBrainwave」、5曲目の「クルーズClues」は、フィル・マンザネラとの共作になっており、フィルがギターを弾いているようです。また6曲目「ブラジリアBrazilia」でもギターを弾いています。ゴドレー・アンド・クレームとフィル・マンザネラの親交は深いようで、これもライナーの山田道成さんによれば、フィル・マンザネラのアルバム「リッスン・ナウListenNow」にゴドレーとクレームが参加したりしているようです。
MichaelStroupとTJThurstonによる「Godley&CremeHomePageによるディスコグラフィーは次の通り。Consequences(1977)、L(1978)、FreezeFrame(1979)、Ismism(別名SnackAttack)(1981)、BirdsOfPrey(1983)、HistoryMixPart1(1985)、GoodbyeBlueSky(1988)、Images(1993)。近年作品が少なくなってきているところが、ちょっとさびしいですね。
このCDは1991年にポリドールから発売された日本盤です。
1998.2.22