最初に聴いたソフト・マシーンは、高校時代で、アルバム「7」でした。当時は「なんと無機的な音楽なんだろう」という印象でした。というのも、当時の私はキッスとかエアロスミスとか攻撃的なハードロックに浸っていたからです。今では「7」の演奏の熱さを味わうことができます。
おそらく多くの人がそうだろうと思いますが、本格的にソフト・マシーンを聴くようになったのは、アラン・ホールスワースの歴史的なギターワークが聴ける「バンドルズ」からです。しかしメンバーの入れ替えが激しく、アルバムによってかなり違った印象を受け、過去に遡れば戸惑うことが多かったです。
このCDは、ソフト・マシーンのファーストアルバム以前に録音されたデモテープをCDに収録したものです。ファーストアルバムは1968年発表で、それ以前の演奏ということになります。雑誌「レコードコレクターズ1991.10」の小山哲人さんによれば、このアルバムは1972年に「RockGenerationVol.7」「RockGenerationVol.8」というレコードに片面づつ収録されて発表されたようです。さらにそれをまとめたものがこのCDで、他に「FaceAndPlaceVol.7Soft
Machine」「At The Beginning」「SoftMachine」「Memories」などのタイトルで各社から発売されています。私もレコードで、米Accordの「Memories」を持っています。
アルバム全体の印象は、サイケデリックな感じ。クリームや初期のピンクフロイドの雰囲気が感じられます。「Saveyourself」で聴かれるロバート・ワイアットのタムを多用したドラミングが、ジンジャー・ベイカーを想起させます。特に最後の3曲はポップなイメージが強い。「WhenIdon’twantyou」はロバート・ワイアットのせつないブルース(おそらく歌詞は皮肉に満ちているのだろうが)、「Memories」はロバート・ワイアットがソロになってからの名曲「Shipbuilding」に勝るとも劣らない名曲だと思います。「Saveyourself」「Ishould’veknown」の2曲は、ファーストアルバムにも収録されている曲。ただし「Ishould’veknown」は「WhyamI
so short」と改題されています。
1998.1.21