In Trance / SCORPIONS


この一枚のディスクが、私を音楽の虜にしました。確か私は中学3年生。FMラジオで聞いた曲が頭から離れず、それまで入ったことのなかったレコード店をさまよい、音楽雑誌を本屋で立ち読みしたりして、このアルバムにたどり着きました。父親にねだって買ってもらったのを覚えています。

全部で10曲が収められていますが、どの曲も隅から隅まで頭に入っています。もし技術があるなら、あらためて聴かなくてもオリジナルと同じ演奏ができると思うほど、ギターのフレーズ、ドラムのリズム、ベースライン、そして歌のすべてが心に染み込んでいます。

私が最初に聴いた「Robot man(ロボット・マン)」はシングルカットされた軽快な曲です。また「Topofthebill(トップ・オブ・ザ・ビル)」もロックバンドとしての栄光をつかむことを歌った、ハードロックバンドらしい曲ですが、「Life’slikeariver(人生は川の如し)」のように、命のはかなさを切々と歌った曲もあります。

CDは「RCAロック・スピリッツ」という復刻版のシリーズで手に入れました。いつまでも私の愛聴版になることでしょう。

1998.1.20