<第10回>

繰り返しテーブルを使ったビューの新規作成

兵庫県立西宮香風高等学校 松本吉生

ymatsumoto@hyogo-c.ed.jp

 
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新しいビューの追加
   
 

InfoPathでは、ひとつの「フォームテンプレート」に複数の「ビュー」を作ることができる。InfoPathで「フォームテンプレート」を作ると、自動的に「データ入力」ビューと「クエリ」ビューが用意され、これまでの作業で「データ入力」ビューのデザインを行ってきた。次に新しいビューを作ってフォームテンプレートに加えてみよう。

新しいビューを作るには、作業ウィンドウを「デザインタスク」にし、「ビュー」の項目をクリックする。

   
   
 

作業ウィンドウが「ビュー」に切り替わると「ビューの選択」の項目があり、現在このフォームテンプレートには「データ入力」と「クエリ」のふたつのビューが存在することがわかる。

ここで「データ入力」のビューが「既定」になっていることに気をつけてほしい。

新しいビューを追加するには、作業ウィンドウの下部にある「操作」の「新しいビューの追加」をクリックする。

   
   
 

「ビューの追加」のウィンドウが表示されたら、新しいビュー名を入力する。ここでは「成績一覧表」とした。

   
 
   
 

「OK」をクリックするとフォームのデザインに戻る。「ビューの選択」には「成績一覧表」という名前のビューが新たに付け加えられている。

   
   
繰り返しテーブルの配置とデータのバインド
   
  入力された成績を一覧表で見るビューを作るには、「繰り返しテーブル」を使うとよい。作業ウィンドウを「コントロール」に切り替え、「コントロールの挿入」をスクロールして「繰り返しテーブル」をクリックする。
   
   
 

「繰り返しテーブルのバインド」ウィンドウが表示される。「バインド」とは、データとの接続を意味している。ここで表示されているのは、既にこのフォームテンプレートで接続を構成しているSQL Serverのテーブルだ。

   
 
   
  「dataFields」をクリックするとSQL Serverのテーブル名「tbl_seiseki」が表示されるので「次へ」をクリックする。
   
 
   
  「繰り返しテーブルのバインド」では、データベースのどのフィールドをテーブルに表示するかを選択できる。ここで「data_id」はデータを管理する上で自動的に連続で付けられる通し番号であり、「create_datetime」はデータが登録された日時だった。この両方は成績データを表示するには必要ないので、「seito_cd」、「kamoku_cd」、「kesseki」、「hyoka」、「hyotei」の5項目を選択して「追加」する。
   
 
   
  「表示する列」に必要なフィールドを登録できたら「完了」ボタンをクリックする。
   
 
   
  「繰り返しテーブル」に必要な項目がテキストボックスとして並んだ。
   
   
ボタンの配置とプロパティの設定
   
  データベースから値を取得するには「クエリの実行」を行わなければならない。作業ウィンドウの「コントロールの挿入」から「ボタン」をクリックして繰り返しテーブルの下に配置する。
   
   
  ボタンを右クリックし「ボタンのプロパティ」を表示する。
   
   
 

「ボタンのプロパティ」ウィンドウで「操作」を「クエリの実行」にする。

   
 

 

 

   
フォームのプレビューと「既定のビュー」の設定
   
 

これでビューのデザインは完了したが、このままの状態で「フォームのプレビュー」を行って「クエリの実行」ボタンをクリックすると、既定のビューである「データ入力」ビューにかわってしまう。「クエリの実行」で「成績一覧表」のレイアウトを表示するには、「成績一覧表」のビューを「既定のビュー」にしなければならない。

作業ウィンドウ「ビュー」の「ビューの選択」で「成績一覧表」を右クリックし「既定に設定」をクリックする。

   
   
  「成績一覧表」のビューが規定になった。「フォームのプレビュー」ボタンをクリックし、ビューを表示する。
   
   
  「成績一覧表」のビューがプレビュー表示されたら、「クエリの実行」ボタンをクリックする。
   
   
  既に登録されたデータが表形式で表示される。ビューのデザインに戻るには「プレビューを閉じる」ボタンをクリックする。
   
   
レイアウトの変更
   
  繰り返しテーブルの項目名を編集してみよう。項目名をクリックすると編集できるようになるので、わかりやすい言葉に変更する。
   
   
  項目名を日本語に変えてわかりやすくなった。各項目のテキストボックスの大きさが横に広すぎるので、幅を狭くしてみる。テキストボックスの境界線へマウスを重ねると、マウスカーソルが左右の矢印アイコンに変化するので、ドラッグすると幅を変えることができる。
   
   
  繰り返しテーブルの幅を狭くし、表が見やすくなった。フォームをプレビューしてみよう。
   
   
テキストボックスの余白を調節する
   
 

繰り返しテーブルの各項目はテキストボックスで構成されているが、デフォルトでテキストボックスに上下の余白が設定されている。ある程度は余白があったほうがデータが見やすいのだが、成績一覧表は通常ひとつのクラス、40名のデータが縦に並ぶので、あまり余白を取らないほうがいいだろう。余白を設定するには、テキストボックスを右クリックして「テキストボックスのプロパティ」を表示する。

   
   
 

「テキストボックスのプロパティ」ウィンドウで「サイズ」タブをクリックし、「スペース」と「余白」の上下を0に設定する。

「スペース」はテキストボックス内側の余白設定であり、「余白」はテキストボックスの外側の余白設定である。

   
 

 
   
 

上下の余白を0にすることで、行の間隔が狭くなった。

   
   
  「プレビューを閉じる」ボタンをクリックしてビューのデザインに戻り、このフォームを使ってデータを入力できるように、「送信」ボタンと「新しいレコード」ボタンを作っておく。
   
   
このページのまとめ
   
 

このページでは「新しいビュー」をフォームテンプレートに加えること、そのビューを「既定」に変更すること、繰り返しテーブルを使い、表形式でデータを表示すること、をした。次はより実際的なクエリの使い方を紹介する。

なお、このページでは、特に断りのない限り、サーバはWindows 2000 Server と SQL Server 2000、クライアントはWindows XP Professional と Info Path 2003、を使って説明していく。筆者のメールアドレスはymatsumoto@hyogo-c.ed.jpだ。

       
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matsumotoyoshio.com 2004/03/07