パブリック・イメージ・リミテッド。強引に訳すと「共同幻想有限会社」となりますか。パンク・ロックの代表的グループ。このアルバムは彼らの4枚目にあたるもののようです。いわゆるパンクと呼ばれるロックのカテゴリからは大きく逸脱しています。
破壊的衝動が感じられない。というか、破壊し尽くした後の創造に向き合っているというアルバムです。一見きまぐれに思える曲の構成は、実は周到に練られたもの。メロディーや調性、コード展開を排除したような、リズムを強調した曲。3曲目「Phenagen」ではガムランのような音がしますが、エスニックな要素を取り入れて目新しさを出そう、というのではなく、この「音」が必要だから使った、というような必然性を感じます。
4曲目はタイトル曲「FlowersOfRomance」。とてもプリミティブなリズム。呪術的な呟き。ジャーマン・ロックにも通じるような重さが伝わってきます。でも「暗い」とは違う。身体の奥深くにある生き物の根源的なリズムを共振させるような曲です。
このアルバムは1986年に日本コロムビア株式会社から発売されました。日本盤のCDで、秋葉原の「リバティー」で中古CDとして購入。「ケース割れ」とあって、なんと480円。
1999.3.18