プログレ雑誌の紹介記事を読んでからは、学生時代の私にとってこのアルバムは幻のアルバムでした。雑誌の記事によると、このアルバムはクリア・ビニールのジャケットに包まれ、レコード盤そのものも透明ということでした。デザインにされたレントゲン写真も異様な感じを受けます。しかし今ほどレコードの流通事情がよくなかった時代ですから、いつか聴いてみたいものだと気持ちを掻き立てられるものでした。
学生時代には聴きたくて仕方がなかったアルバムですが、いざ聴いてみると音楽的にそれほど優れたものとは思えません。アルバムに収められたのは3曲、というか、いずれもコラージュ的な作品で、純粋に楽曲としては楽しめるものではありません。
とはいえ、当時の音楽状況の中で一石を投じたアルバムであったことは確かでしょう。またコミューンを作って活動をしたという姿勢が注目を集めたという面もあったことでしょう。しかし私にとってこのアルバムは、それほど頻繁にはプレイヤーに乗せることのないだろうものです。
このアルバムは1971年に発表されました。このCDは1991年に「ポリドール・ポピュラー・CD・ナイス・プライス・シリーズ:幻のプログレッシブ・ロック」と題されてポリドール株式会社から発売された日本盤です。「世界初CD化」と書かれています。
1998.10.30