Crispy! / SPITZ


これはスピッツの4枚目のアルバムです。スピッツの魅力の一つに、曲のバラエティーが富んでいることがあります。このアルバムも1曲目がタイトル曲「クリスピー」で、とても軽快で楽しく、スピード感のあるポップ・ソングです。ところが2曲目の「夏が終わる」は一転してブラック・コンテンポラリーな曲。3曲目「裸のままで」はベーシックなロックン・ロール調のリズミックなもの、という具合です。

「器用なバンド」と言うこともできますが、どの曲にも歌心があふれていて、聴けば聴くほど心に残っていきます。言葉の選び方も考え抜かれていますが、歌によって伝えようとする心は単純ではなく、様々な思いが込められています。

決して流行の音楽ではありません。きっと今スピッツを気に入って聴いている人は、いつまでもいつまでも聴きつづけ、長く愛される音楽となっていくのだろうと、そんな気がします。

このアルバムは1993年にポリドール株式会社から発売された日本盤のCDです。

1998.9.11