Elements / Roger Glover


最近、比較的ポピュラーなアルバムを紹介してきましたので、ここで「カルト」の名にふさわしいアルバムをいくつか紹介します。これは元ディープ・パープルDeepPurpleのベーシスト、ロジャー・グローバーRogerGloverのソロ・アルバムです。

ディープ・パープルといえば、超有名ハード・ロック・バンド。そのメンバーのソロ・アルバムということだから、もちろんハード・ロック、と思いきや。ロック・オペラというか、管弦楽というか、クラシカルな雰囲気満点のプログレッシブ・ロック。・アルバムでした。

いまでこそ音楽ジャンルのボーダーが薄れ、様々なジャンルを行き来するミュージシャンが増えましたが、このアルバム当時は、あるミュージシャンが、それまでと全く異なるジャンルの音楽に手を染めるということは少なかったですから、このアルバムにはたいへん驚きました。

アルバムは5つのパートに分かれています。「土TheFirstRingMadeOfClay」、「火TheNextARingOfFire」、「水TheThirdRing’sWateryFlow」、「風TheFourthRingsWithTheWind」、「フィナーレFinale」というものです。「エレメントElement」というアルバム・タイトルが示すように、この世界を作る物質を哲学的に表現したアルバムという感じです。

参加メンバーは、ロジャー・グローバーがシンセサイザーやベース、ギター、バッキング・ボーカルなどを担当し、サイモン・フィリップスSimonPhillips(Drums,Tabla,Percussion)、ミッキー・リー・ソウルMickyLeeSoule(Piano,Organ,Percussion)、グラハム・プレスケットGrahamPreskett(ElectricViolin,Clarinet)、ロニー・アスペリンRonnieAsperyn(Saxophone,Flute)、MartinBirch(AcousticGutar,BackingVocals)、ライザ・ストライクLizaStrike(LeadVocals)、ヘレン・チャペルHelenChappellee(LeadVocals)。ライザ・ストライクはピンク・フロイドPinkFloydの「狂気」で素晴らしいスキャットを聴かせてくれた女性ボーカリスト。ヘレン・チャペルとともに、アルバム「バタフライ・ボール」にも参加しているようです。このアルバムはまた後日紹介しましょう。また解説の三宅はるおさんによると、ミッキー・リー・ソウルは、 元エルフで第一期レインボーのメンバー、タイトでダイナミックなドラムを聴かせてくれるサイモン・フィリップスは、グリーンスレイドに参加していたセッションドラマーで、「801ライブ」にも参加しているそうです。

このアルバムは1978年にポリドール・ジャパンから発売された、日本盤のアナログ・レコードです。

1998.8.23