Roxy Music / ROXY MUSIC


高校時代の親友T君から初めて聴かせてもらったアルバムです。実はT君は音楽にそれほど詳しくなくて、その彼から紹介されたアルバムだということで、とても印象に残っています。ロキシー・ミュージックのデビュー・アルバムです。

音楽通を自認していた私でしたが、このアルバムの良さはわかりませんでした。こういうこと、多かったですね。若い頃は。このCDにも写真が載っていますが、当時のことですから30cmのアナログ・レコードのジャケットです。見開きのジャケットを開くと、統一感のないメンバーたち。ギターのフィル・マンザネラPhilManzaneraは昆虫のようなサングラスをかけているし、アンディ・マッケイAndrewMackayはオールバックでロカビリー風。イーノEnoは額が広く宇宙人みたいだし、ブライアン・フェリーBryanFerryはパンク・ロックみたい。グラハム・シンプソンGrahamSimpsonはテキサスのカウ・ボーイ。唯一ポール・トンプソンPaulThompsonが当時の典型的なブリティッシュ・ロック・ミュージシャン風で普通に見えました。

T君はイーノのサウンドに「どんな楽器で演奏したのか想像もつかない不思議な音」と表現しました。多少音楽を知っているつもりの私は「これはシンセサイザーという電子楽器だよ」と言うと、彼はふーんとうなづいていました。しかし彼の直感は正しく、自分で電子楽器を触るようになってから、いかに音作りが難しいかがわかるようになって、知ったかぶりで説明した自分が恥ずかしくなるような気持ちでした。

このアルバムは1972年にEGレコードEGRecordsLtd.から発表されました。このCDは1988年に「ビッグ・アーティスト・コレクション」としてバージン・ジャパン株式会社から発売された日本盤です。

1998.8.18