Ambient 1 Music For Airports / Brian Eno


イーノが「環境音楽」へと傾倒する、ターニング・ポイント的なアルバムで、「アンビエント・シリーズ」と名づけられた一連の作品群の第一作にあたるアルバムです。「ミュージック・フォー・エアポート」つまり空港で流されることをイメージして作られたアルバムです。

収められた曲は4曲。タイトルはそれぞれ「1/1(16:36)」、「2/1(8:29)」、「1/2(11:41)」、「2/2(9:41)」と記号のような番号が付けられています。1曲目「1/1」はピアノが主体となった曲です。ぽつぽつと何気なく弾かれたピアノの音ですが、よく味わうと極めて考えられた必然のある音ばかりです。ですから真剣に聴くと疲れさえ覚える緊張感を感じます。なおこの曲はピアノをロバート・ワイアットRobertWyattが弾いており、RhettDaviesとともに共作Co−Composedとクレジットされています。

2曲目「2/1」は声にサウンド・エフェクトをかけたもの、あるいはボコーダーかサンプラーを使った音が主体の曲です。こちらは幻想的でありながら、どこか清涼感のある雰囲気をも感じる曲作りになっています。

3曲目「1/2」はピアノに声が重なる曲。4曲目「2/2」はホーン風のシンセサイザーによる演奏で、次なるアルバム「ディスクリート・ミュージックDiscreetMusic」の予感が感じられる曲です。

このアルバムは1978年にE.G.レコードE.G.RecordsLtd.から発表されました。このCDはバージンVirginから「ブリティッシュ・ロック・ヒストリー・イン・CD」というシリーズで発売された日本盤です。

1998.8.2