Scarabus / IAN GILLAN BAND


これは私の大好きなアルバム。シンプルな中に優れたテクニックと様々な試行があって、とても豊かなロック・アルバムに仕上がっています。しかしイアン・ギランは、よりヘヴィでストレートな音を求めていたようで、このアルバムの後ライブ・アルバムを2枚出し、盟友コリン・タウンズColinTownsのみを残し、ドラムのマーク・ナウシーフMarkNauseef、ギターのレイ・フェンウィックRayFenwick、ベースのジョン・グスタフソンJohnGustafsonの、いずれも技巧派のメンバーがバンドを離れます。

例えば、ディープ・パープルの名曲「ハイウエイ・スターHighwayStar」にたとえられる「ツイン・エクゾーステッドTwinExhausted」を聴くと、もうすこしシンプルなほうがいいのに、と私なども思ってしまいます。しかしドラマチックでイアン・ギランの魅力全開のタイトル曲「スキャラバスScarabus」、ちょっと変わった曲想の「マッド・エレーナMadElaine」、リズムが軽快な「プア・ボーイ・ヒーローPoorBoyHero」、シンコペーションが利いた「マーキュリー・ハイMercuryHigh」、同じくシンプルな「カウントリー・ライツCountryLights」、など様々なバリエーションの曲があり楽しめます。イアン・ギランもかなりシャウトぎみに歌っています。

このアルバムは 1978年にアイランド・レコードIslandRecordsから発売された米盤のアナログ・レコードです。

1998.6.22