これまで日本の若いミュージシャンのアルバムには、ほとんど関心がなかった私です。しかし「Chara」というミュージシャンについては、ときおり立ち寄るCD店でポスターを見たことがありました。それはこのジャケットに似た構図で、おそらくアルバム発売を記念したポスターだったのでしょう。化粧をしない素顔の写真は妙になまめかしく、忘れられないポスターでした。
Charaはとても小さく、今にも消え入りそうな細くかすれた声で歌います。しかしか弱い声の印象の中に、自分をしっかり表現しようという意志が感じられます。どの歌にもせつなく儚い愛が込められています。たくさんの悲しい恋を失ってきて、本当の愛にめぐり合うことを心待ちにしている、そんな印象を受けました。
素直な気持ちで詩を書き、ひたむきに歌う、そんなところが彼女の魅力です。でもまだまだ聴き始めたところで、彼女の魅力を十分に感じ取っているわけではありません。私にとって、これからじっくりと聴き込んでゆけるアルバムです。
このアルバムは1997年にソニー・ミュージックエンタテインメントから発表されました。
1998.5.24